看護師の現状
看護師を取り巻く問題で最も深刻なのは、勤務条件の低さと離職率の高さ、それによる看護師不足である。
看護師不足
看護師の就業者数は年平均約1万人増えているのだが、需要がそれをはるかに上回る規模で拡大している。看護師の資格保有者で、現在看護関係の仕事をしていない「潜在看護職員」は約55万人にも上っている。勤務条件の低さが離職を招き、慢性的な看護師不足となっている。
また、2006年4月の診療報酬改定で入院病棟の看護師配置基準が変更となり、看護師の数が多いほど病院が受け取る診療報酬が増加する仕組みが導入された。これに伴い、全国の病院で看護師の争奪戦が起きている。
なお、OECDの資料によれば、100床あたりの看護職員数でアメリカは233人、フランスでも91.1人であるのに対し、日本は54人。先進国の中では最低ランクである。
看護師の内診禁止
産科医は長年、医師の指示のもとで看護師の内診はできると解釈してきたが、厚労省は2002年と2004年に看護師の内診行為を禁ずる通知を出した。保健師助産師看護師法は、「助産師」を「厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じょく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子」と定め、具体的な業務内容に関しては記していない。
専門看護師と認定看護師
日本看護協会は1996年、大学院修士課程修了・経験5年の専門看護師(がん、精神など)制度を、1997年からは実務的な認定看護師(救急、WOC=床ずれ、人工肛門、尿失禁など)制度を創設した。
専門看護師は、特定の専門看護分野において卓越した看護実践能力を持ち、より困難で複雑な健康問題を抱えた人や地域等に対して、質の高い看護を提供するための知識や技術を備えた看護師のことをいう。日本看護協会専門看護師認定試験に合格することが条件。認定看護師は、日本看護協会の認定看護師認定審査に合格し、ある特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を有することを認められた看護師。